この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
限りの月
第10章 歪んだ愛
「大丈夫だ、美織。スイッチは押さない。店の中に行くのも一瞬だけでいい。すぐ戻ればいいさ」
「……でもっ……、すごく歩きにくい……。こんなの、すぐバレちゃうっ……」
「あぁ、美織。また俺を拒むのか? 今やらないと、ずっとスイッチ入れっぱなしにするぞ?」
「……っ……」
美織は泣きそうな顔をする。
(ああ、これだ。この顔がたまらない)
「コートも羽織っていいから」
「……。わかりました……」
美織は観念したのか、深呼吸したあとゆっくりと扉を開けた。
「……んっ」
振動していなくても少し動くだけで感じてしまう。
「美織、気を付けろよ」
哲はニヤニヤしながら、ゆっくり歩いていく美織の背中を見送った。そして店内に入っていく美織の姿を確認すると、一瞬だけスイッチを入れた。
「……でもっ……、すごく歩きにくい……。こんなの、すぐバレちゃうっ……」
「あぁ、美織。また俺を拒むのか? 今やらないと、ずっとスイッチ入れっぱなしにするぞ?」
「……っ……」
美織は泣きそうな顔をする。
(ああ、これだ。この顔がたまらない)
「コートも羽織っていいから」
「……。わかりました……」
美織は観念したのか、深呼吸したあとゆっくりと扉を開けた。
「……んっ」
振動していなくても少し動くだけで感じてしまう。
「美織、気を付けろよ」
哲はニヤニヤしながら、ゆっくり歩いていく美織の背中を見送った。そして店内に入っていく美織の姿を確認すると、一瞬だけスイッチを入れた。