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限りの月
第4章 亀裂
だが男の力にかなうわけなく、握りしめていた掌から写真を奪われてしまう。

哲は美織に馬乗りになりながら、クシャクシャになった写真を広げた。


「!」

一瞬、哲の瞳が大きく見開く。


「…哲さん?」


写真を見つめたまま動かないので、美織は気になって声をかけてみた。


「…もしかして、知ってる人?」



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