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限りの月
第4章 亀裂
「やっぱり、あの男がいいのか?」
「…え?」

哲の言葉に、美織は目を丸くした。

「あの男のことを覚えてるのか?」
「え…何を言ってるの、哲さん…」
「…覚えてないのか?」

美織が呆然としていると、哲はクククッと笑い出した。


「そうか…覚えてないのか」

目の前で笑う哲を、美織は呆然と見つめた。


「…やっぱり何か、知ってるの?」
「美織は知らなくていい」

そう言うと哲は、再び腰を動かした。


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