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喘ぐなら、彼の腕の中で
第2章 私が2番目なの?


・・・しまった。


酔った勢いで喋りすぎた。
相手が誰かなんて、特定できる種は絶対蒔いたらダメなのに。


「あー…なんの話?」


咳払いをして、莉央のネクタイから手を離す。


「社内の人だなんて、一言も言ってないけど…」

「 “ 秘密の恋愛 ”
“ 万一社内の誰かに見られたら困る ” 」

「……!!」

「自分からベラベラ喋っただろーが。
相変わらず取り繕うのが下手だな」


淡々と言い放った莉央は
煙草を咥えたまま、深い瞳を私に向けた。


「……」


………昔から
この男に隠し事をしても、すぐに見破られてしまう。


それと同時に

莉央の目の色が変わった時は
これ以上無理して偽っても無駄だってことになる。


……これはもう完全にバレてるな。


「どこの部署か、言わないと分からない?」


ワインを口に含んで、ぶっきらぼうにそう告げると
莉央はふっと笑って、目線を前に戻した。


「お前の直属の先輩の、芹澤だろ?」

「………」

「それでもって俺の同期。
狭いな、お前の恋愛範囲」




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