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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

“ 今日、1日付き合え ”
会社は休みだけど、何かあるのかな?
莉央の言葉をリピートしながら、洗面所で顔を洗う。
昨日の服を着て、軽く髪を整えてからリビングに行くと
莉央が冷蔵庫の上の棚から、プラスチックの箱を下ろしていた。
……薬箱?
その中から、2つの包みを取り出している。
「酔い止めと、もうひとつ何?」
「胃腸薬」
私が近付くと、莉央は2粒同時にコーヒーで流し込んだ。
〜〜ちょ、ちょっと両方一気に………
「どうしたの?胃が痛いの?」
「違う、予防」
「予防?」
聞き返したけど、莉央は答えずにマグカップを流し台に置いた。
「マンションのエントランス前に、小さい公園がある。
先にそこで待ってろ。着替えたらすぐ行く」
「え?
う、うん。でも…」
「駐車場から車取ってくるから。
公園の前に寄せる」
・・・車?
なんだか話についていけないけど、これ以上聞くと倍返しで言い返されそうだから
言われた通り、1人で先に莉央の部屋を出た。

