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喘ぐなら、彼の腕の中で
第2章 私が2番目なの?


「芹澤、あいつもアホだな。
こんな面倒な女を相手にする程、飢えてねぇだろうに」


ビールを飲み終えて、マスターに空のグラスを渡す莉央。


……なんで相手が芹澤さんって分かったの? なんて。

自らの発言を振り返れば、聞くこと自体無意味な気がして
私は無言でワインを口に含んだ。


「芹澤の本命の彼女が誰かまでは、聞かないでおいてやるよ」
「……自分のセフレと、かぶってたりして?」
「ありえない。社内の女にまで手出ししてない」


カウンターに置かれた2杯目を喉に流し込んで、莉央は笑った。


……社内にいなくても、どっか別の場所には健在ってわけか。

ま、どうでもいいけど。
そんな事より私だよ。


「……はぁ。ショックすぎて涙も出ない」


私、芹澤さんから彼女だってハッキリ言われてなかったんだ。
始まりも曖昧にしか思い出せないし、言われてみればそうだったかもしれないな。


だって、関係性の確認すら忘れてしまうくらい
芹澤さんのことが、狂おしい程好きなんだもの………



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