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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

「……ほんとに、どこに行くのよ?」
車は東の方向へ向かっているようだ。
普段運転し慣れてる莉央は、カーナビをつけるわけもなくスイスイと走らせる。
「まず、遅いけど朝飯だな」
あ、それは賛成。
昨日の夜は結局お酒しか口にしてないから、お腹空いてるんだ。
「………」
サングラスをした莉央の横顔を、チラッと覗き見する。
ほんと全てがサマになるというか、綺麗な顔してますこと。
……土曜日にこうして莉央と2人で出掛けるなんて、初めてかもしれない。
「……私達、体だけの関係なのに。
こんな日の明るいうちから遊んでいいの?」
「あーお前って本当に面倒な女だな」
私の質問に、莉央は溜息を漏らした。
「幼なじみでもセフレでも、俺は俺でお前はお前なんだ。
行動のひとつひとつに、いちいち関係性を紐付けんなよ」
「……意味わかんない……」
「頭悪いんだな。かっわいそ」

