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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

お菓子の家をイメージした、ポップな店内。
チョコレートをモチーフにしたテーブルを挟んで、莉央と向かい合う。
「お待たせしました。
スイートチョコレートとティラミスのスペシャルワッフルです」
アイスコーヒーを飲む莉央の前に、メニューの中で1番豪華だった、焼きたてのワッフルが置かれた。
「……おい、何の冗談だ」
莉央がギロッと私を睨む。
ぜんっぜん怖くなーい。
「なんだこのグロイの。
お前のより酷いじゃねぇか」
「選んでいいって言ったじゃない。
それが1番人気って書いてあったでしょ」
「だったらてめぇが食えよ!」
「私はキャラメルバナナが好きなの」
自分のワッフルを口に含んで、にっこりと笑った。
「すごーい♡ 絶品だよ。
この美味しさが分からないなんて、かっわいそ~」
「………」
「大丈夫よ、食べきれなかったら私が手伝ってあげる♡
優しいな~~」
莉央は私を冷えた目で見ながらも、フォークを手にとると
ワッフルの端っこをほんの少しだけ切って、口に運んだ。

