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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

「どう?美味しい?」
「……甘い」
「そりゃそうよ、チョコレートワッフルだもん。
シロップだけじゃなくて、生地にも練り込んであるのよ」
私はもうすぐ食べ終わろうとしているけど、莉央のお皿は半分も減ってない。
ふふふ……♪
顔がニヤついちゃって止まらない。
「お前マジで性格歪んでるな」
「莉央ほどじゃないわ」
「俺もういらない。早く食えよ」
「あら、それが人にモノを頼む態度かしら?」
「………」
私、本当に嫌な奴だわ。
でもこんな逆転した事いまだかつて無いから、言わせたくて仕方ない。
莉央はげんなりした様子でフォークを置くと、顔を下に向けた。
「……食べてください。
お願いします」
「ぶっ…!!///」
言った!
本当に言った!!
お願いしますだって!///
プルプル震える手で、食べ残しのワッフルを引き寄せる。
拗ねた顔で水をカブ飲みする莉央。
写真撮って待ち受けにしたいくらいの珍しい表情に、笑いが止まらなくなってしまった。

