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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め


穏やかな風と共に漂う海の香り。
歩き回って少し疲れた体を、心地よく包み込む。

海の先に見える吊り橋のライトアップを眺めながら、私はゆっくりと口を開いた。


「莉央、今日はありがとう」


甘いスイーツと絶叫系アトラクション。

弱さを見せないあなたが、不得意とする分野を曝け出してくれたことで
自分でもこんなに笑えるのかって思うくらい、昨日の涙なんて吹っ飛んでしまった。


「苦手なのに。ワザとでしょ?」

「この俺に苦手なモンがあるわけねーだろ」

「でも私、最高に楽しかったよ」

「あっそ。 俺は終日女を抱いてる方がよっぽど楽しいけどな」


……またそーいうこと言う……

莉央は煙草を一度灰皿に置くと、携帯を取り出して画面を見つめた。


「………」


その中に入ってる何人もの女性たちが、あんたを待っているんでしょうね。
同じ会社で幼なじみの私でも、並べられたらその中の1人。


……あ、なんだかちょっと
胸がチクッと……したりして。


「……ねぇ、莉央」


メールを打ち終わり、携帯を置いた莉央が顔を上げた。


「莉央は今、好きな人いないの?」
「いない」


あ、即答なんだ。
煙草を咥えた彼は、そのポーカーフェイスを崩さない。


「何だよ、急に」

「……いや、なんとなく。
彼女とか欲しくないのかなって思って」

「何の為に?」

「なんのって……」

「好きな奴もいないのに、彼女もなにもねぇだろ」



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