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喘ぐなら、彼の腕の中で
第9章 胃薬と酔い止め

……そりゃそうなんだけど。
たまにこーやってマトモなを発言をするから、ますますこの男が分からない。
「莉央がどこの誰と関係を持ってるか分からないけど……
相手が多ければ多いほど、色々と揉めたりしない?」
「しない。割り切った関係だから」
さらっと言った莉央はコーヒーを飲み干すと、視線を夜景に向けた。
「相手が何をどう思ってても、俺はそんな事どーでもいいんだよ」
「……!」
「女の心が俺に向いていようが、別の誰かを好きでいようが
どちらでも一向に構わない」
ドクンと心臓が鳴る。
……体だけ、繋げている関係。
今日1日一緒にいて……少しだけ見えた気がした莉央の本来の姿は、やっぱり嘘だったのかと思ってしまう。
……それくらい、今私の前にいる莉央の目は冷たい。
「……でも」
なぜか胸が苦しくなってきて、身を乗り出して話を続けてしまう。
「相手の女性が莉央を好きなら。
その女性は莉央の彼女になりたいって、きっと思って…」
「特定の女を作らないってことを、同意した女だけ相手にしてる」
「……!」
「割り切ってるんだ、何度も言わせんなよ」
これ以上聞くなとでも言うように、莉央が私を睨みつける。
……分かってるよ。
だけど
莉央を知れば知るほど、本心なのかなって疑ってしまう。
「……本当に、それでいいの?」
莉央の目を見つめ返して、小さい声で呟くと
莉央は私から視線を外した。
「俺は満足してるんだ。
何か都合悪ぃことでもあるか?」
「………」
「お前に理解を求めてない。
関係を辞めたいなら、すぐに解毒剤用意してやるよ」

