この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第10章 一発KO

【天然】
本来の意味は、自然に生み出されたもの・人の手が加えられていないものの事を示す。
ただし、現代では “ 不思議ちゃん ” と同じ部類とされる人間に与えられた称号でもある。
話が噛み合わない。
会話が成り立たない。
何を考えているのか分からない。
世の中様々な種類の天然が溢れているけど
彼らが持ち合わせる恐ろしい共通点は、“ 自覚がない ” ということだ。
「…………」
「…………」
莉央も私も、半ば放心するように無言だったけど
ニコニコと微笑みながら芹澤さんの待ち受けを眺める亜美を見て、莉央が口を開いた。
「……亜美ちゃん」
「なあに?」
「君は本当に可愛くて素直な女の子だね」
「え!?///」
莉央の言葉を聞いて、亜美がパッと顔を上げる。
私もギョッとして莉央を見た。
「宮本さんたら~♡
急にどうしたんですか!?///」
ほんとにどうした!?
あまりに強烈なキャラを前に、精神崩壊?
亜美がキラキラと目を輝かせるその先で、莉央は無表情のまま立ち上がった。
「だけど、俺。
あんたじゃ勃たねーわ」
「………!!」
「間違いなく芹澤以外の男もそうだから。
彼氏大事にした方がいいよ。
……どうぞ末永くお幸せに」

