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喘ぐなら、彼の腕の中で
第2章 私が2番目なの?


「お金を払いたい程ヤミツキって。
まるでドラッグね」


溜息をついてワインを取り返そうと手を伸ばしたけど
莉央はスッとグラスを持ち上げて、残りを飲み干した。


「ヤケ酒する前に、一度俺を味わってみればいいのに」
「悪いけど。昔から莉央にはハマらないの」
「ふうん。相変わらず変な女」
「あなたのファンの子達と一緒にしないでほしいわ」


今の私は傷心してるけど、意地を張ってるわけじゃない。

莉央は友人であり、同僚。
それ以上でもそれ以下でもない。


勝手に飲まれたワインの代わりに、仕方なく莉央の飲みかけのビールを手繰り寄せる。


その時、一瞬


「……!」


彼の左腕に、私の右手が触れたけど
反射的に莉央がパッと腕を引いた。


「………」


─── そう。


さっきから抱かれてみる?とか
味わう?とか言ってるけど



莉央は絶対、私に触れない。




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