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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日


だいたい
20年も幼なじみを続けてきて、今さら惚れるって何なんだろう。

でもここ数週間のうちに、数々の場面で莉央の魅力が発揮されたんだから
私が莉央を好きになるのは自然の流れだったとも言える。


というか、就職して再会してからも単なる飲み仲間だったのに、いきなり急接近したことがそもそもの要因だよ。

今まで莉央に対してこんな気持ちになったことなんて無いし、莉央だって私に興味が無かったはずだ。


─── そう

だって莉央は

ずっと私に………


「・・・ん?」


左斜め前の海から砂浜に上がってきた、1人のサーファーに目が止まる。

ボードを砂浜に立てて、ウェットスーツを脱いだ男。

惜しげもなく披露されたその引き締まった裸体に、目が釘付け……ということだけではない。

まだ5月下旬だというのに、日焼けした肌に細マッチョな体……

下だけ短パンに履き換えた彼が、私の視線に気付いて顔を上げた。


「……あれ、沙月?」



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