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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日


─── 昔から、似てないなって思っていたけど

この鋭い目を見て、色気のある低い声を聞けば
やっぱり兄弟なんだなって感じる。


「……翔ちゃん……!」

「マジで沙月か。
久しぶりすぎて、一瞬誰だか分からなかった」


私に近付いてきて、白い歯をみせてニカッと笑ったから
飛び跳ねる勢いで立ち上がる。

目線の位置は、莉央より少し上。


「沙月も土日休みなんだっけ?
1人で何やってるの」

「そっちこそ……
どうしてここにいるのよ」

「嫁が女友達と旅行行ってんだよ。
だから久しぶりに乗りにきた」


翔ちゃんはそう言いながらサーフボードを指さして、私の隣りにどかっと座った。

………地元とはいえ、今はお互い都内に住んでるのに
こんな偶然ってあるんだ………

3年ぶりに見たその姿に目を奪われながら、私も砂浜に座り直した。



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