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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日


─── 宮本 翔太(みやもと しょうた)


私の5つ年上だから、今ちょうど30歳。
都内の金融関係の会社に務めている。

莉央の家は3人兄弟で、翔ちゃんは次男。
三男の莉央のお兄さんであり

……私の初恋で
10歳のとき初めて告白して、初めて失恋した人。


「沙月ももう25かー。女は変わるもんだな。
ガン見してくるから、一瞬痴女かと思った」


……痴女って……
相変わらずフランクに話を進めるな~。


「私はすぐに気付いたよ。
結婚した時から全然変わってないね」

「そう?気ぃ抜くとすぐ腹出るぜ。
歳には勝てねぇ」

「でも鍛えてるでしょ?」

「たまに走る程度だよ」


翔ちゃんは煙草と携帯灰皿を出して、お腹を摩った。

……いやいや、腹筋割れてるじゃん。
逆にパワーアップしてると思うけどな。

モデル体型の莉央と違って、翔ちゃんの体はほど良い逆三角形だ。

小学校までは莉央と同じでひょろひょろしてたのに、瞬く間に男らしく変貌を遂げていったんだよね。

受付嬢をしている美人な奥さん。

写真でしか見たことないけど、並んで歩くと絵になるだろうな~。




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