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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日

「それで? また失恋でもして黄昏れてたわけ?」
「……は!?」
「昔からフラれる度にここに来てボケ〜っとしてたじゃん」
「……!」
「相変わらず恋多き乙女だな」
煙草咥えたまま、翔ちゃんはニヤッと笑う。
・・・この男
自分がその第一人者だってこと忘れてんのか!?
私はじろっと翔ちゃんを睨みつけた。
確かに、私は翔ちゃんが初恋だけど
この前莉央に言った通り、フラれても引きずることなく、思い出フォルダに入れることができた。
小学生の頃に遊んでいた時の翔ちゃんは、優しくておっとりしてたんだけど
高校になると急に成長して背が高くなって、歌って踊れるダンスユニットにでもいそうな風貌へと変わったんだ。
基本的に穏やかなのは変わらないんだけど、隠れドS的な部分が垣間見えてきて
すっごいイケメンってわけでもないのに、その明るさと話が面白いから、瞬く間にモテ男になったんだよね。
そーなったら私のタイプからは遠ざかるから、自然と私の熱は冷めていったというわけ。
……今となっては懐かしい思い出だな。

