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喘ぐなら、彼の腕の中で
第11章 忘れられない日

「……っ///」
やっぱりお見通しか……
翔ちゃんも昔から見抜く力が鋭いもんね。
だけど
驚いたのはそっちじゃない。
だって………
「……莉央の、本当のお母さんは……?」
「………」
震える声で聞いた私の質問に、翔ちゃんは答えない。
少しだけ沈黙した後
視線を空に向けて、翔ちゃんはまた静かに口を開いた。
「うちの親父。
社長で仕事の鬼のくせに、やることはやってんだよなぁ。
あんなヤ○ザみたいな顔してんのに惚れっぽいから、常に別の女作ってたんだよ。
莉央がうちに来てからやっと改心したらしいけど」
「……!」
「だけど、それ以上に逞しいのが俺のおふくろ。
浮気不倫は覚悟の上で結婚を決めたって言ってたし、どーってことないってマジで全然気にしない性格なんだ。
だから、莉央の親権が親父になった時も、むしろウエルカムみたいに笑ってたしな」
唖然として言葉が出てこない。
莉央の過去を淡々と話す翔ちゃんは、本当にけろっとした顔をしている。
「呆れるだろ?
うち変な家庭なんだよね。
おふくろは莉央を本当の息子として出迎えたし、俺も兄貴も何の不満も文句も出てこなかった。
あの親父が頭を下げたから、子供ながらにも仕方ねぇなって」
「………」
「三兄弟の中であいつが1番イケメンだからな。
おふくろは今でも莉央にメロメロだよ」

