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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し

─── 好き。
もう、大好き。
ぴったりくっついた体を、もっと近くに感じたくて
私も莉央の背中に手を回した。
………あと、少し。
あともう1歩なのかな。
莉央の温もりが全身に伝わってきて、胸がいっぱいで溶けてしまいそう。
4日前、すぐ近くのテーブルに叩きつけられたばかりだっていうのに
今はこうして、同じ彼の腕の中にいる。
……変だよね、私達。
20年間幼なじみを続けてきたのに
こんな短期間で、2人の間に劇的な変化が訪れるなんて……
でも、いいの。
さっき堂々と宣言した通り
私の心は莉央に奪われて、これからもっとあなたを好きになる気がする。
……振り払ってしまった手を
もう一度…………
その時
「沙月ちゃーん。 いるー?」
「………!!!」
扉の向こうから
同じチームの田部さんの声が聞こえてきた。

