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喘ぐなら、彼の腕の中で
第16章 先手必勝


対面式のカウンターキッチン。

同じ無垢材と大理石で仕上がったその後ろから

太陽のような笑顔の彼女が、私を見つけた。


「おばさま~♡ お久しぶりです!」

「なによ!来るなら一言言いなさいよ!
まぁ~綺麗になったじゃないの!」


花柄のエプロンで手を拭いて、ダイニングに来た2人のお母さん。

固まる莉央から離れて、久しぶりの再会に熱い抱擁を交わした。

女の人なのに、筋肉質で力強い腕。

背も私よりちょっと高くて、全体は細いんだけど、胸もお尻も欧米の人みたいにダイナミックだ。

3年前、翔ちゃんの結婚祝いを持ってここに来たときより、もっとパワーアップしてる気がする。


「おばさん相変わらず素敵♡
髪の毛も明るいな~!」

「いいでしょ~♪
アッシュにするか迷ったんだけど、結局オレンジにしちゃった」

「……あのさぁ。
もうすぐ還暦なんだから、そろそろ落ち着いたら?」


キャッキャとはしゃぐ私とおばさんの横から、翔ちゃんが口を挟んだ。




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