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喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み


私の肩を抱いたまま歩き始めた莉央が、そう言って顔を近付けてくる。


「……は!?///」

「自信無くしてるんだろ?」

「だ、だ、だからって…」

「俺はこんなにもお前にハマってるって、披露しようぜ」

「~~~!!」

「ほら、舌出せよ」


莉央の長いまつ毛の奥で、瞳がキラリと光る。

そのまま唇が……って、ちょ、ちょっと待……!!///

ぎゅっと目を瞑った瞬間


「あ、やっぱり後にして」


莉央が突然パッと体を離した。

………はい!?

驚いて目を開けると、奴は1人でスタスタと先に歩いている。


「~~~~!!」


なんだその寸止めは!
後にしてって、あんたから仕掛けてきたんでしょーが!

も~ドキドキしたりガッカリしたり、心が乱れるったら……


「・・・ん?」


上がった息を整えながら、莉央が向かう方へ目を向けると

ビーチの反対側には、遊歩道に沿ってカフェや雑貨などのお店が並んでいて
その中の1軒に、店内に入りきらない商品が、ウッドデッキにまで溢れている。

……太陽の光を浴びてキラキラ光る、色とりどりの花々。

莉央が入っていったのは、小さなフラワーショップだった。



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