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喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み


後を追いかけて店の前まで来ると
莉央は店先でしゃがんで、鉢に入った花を眺めていた。


「……莉央と花って……」


ドSで口の悪いこの男とは、全然結びつかないはずなのに
水に濡れたバラやカサブランカをバッグにしたその姿……妙にエロスを感じてしまう。

人差し指で花びらを撫でてるし、なんかもう……

って、おい!!
私こんな真っ昼間から何を想像して……///


「莉央、何で急にここに来…」
「いらっしゃいませ」


私が莉央に話しかけたのと同じタイミングで
若い女性の店員さんが、ニコニコと微笑んで近付いてきた。


「何かお探しでしたら承ります」

「かご花、ある?」

「はい、アレンジメントですね。
いくつか大きさが選べますが、いかがいたしますか?」


え!?


「任せるから適当に作って。
季節の花ならなんでもいい」

「かしこまりました。ご予算の方は?」

「1万くらい。配送してほしいんだけど」

「ではこちらで伝票の方を……」


えぇ!?
待て!!
なに!?


読者の皆様は一瞬戸惑ったと思いますが、店員さんと上記の会話をしたのは、わたくし沙月ではありません。

流れるようにアレンジメントを注文した莉央が、そのまま店内へ入っていく。

な、何者なんだあいつは……!!




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