この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み

後を追いかけて店の前まで来ると
莉央は店先でしゃがんで、鉢に入った花を眺めていた。
「……莉央と花って……」
ドSで口の悪いこの男とは、全然結びつかないはずなのに
水に濡れたバラやカサブランカをバッグにしたその姿……妙にエロスを感じてしまう。
人差し指で花びらを撫でてるし、なんかもう……
って、おい!!
私こんな真っ昼間から何を想像して……///
「莉央、何で急にここに来…」
「いらっしゃいませ」
私が莉央に話しかけたのと同じタイミングで
若い女性の店員さんが、ニコニコと微笑んで近付いてきた。
「何かお探しでしたら承ります」
「かご花、ある?」
「はい、アレンジメントですね。
いくつか大きさが選べますが、いかがいたしますか?」
え!?
「任せるから適当に作って。
季節の花ならなんでもいい」
「かしこまりました。ご予算の方は?」
「1万くらい。配送してほしいんだけど」
「ではこちらで伝票の方を……」
えぇ!?
待て!!
なに!?
読者の皆様は一瞬戸惑ったと思いますが、店員さんと上記の会話をしたのは、わたくし沙月ではありません。
流れるようにアレンジメントを注文した莉央が、そのまま店内へ入っていく。
な、何者なんだあいつは……!!

