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喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み

呆気に取られて暫くその場から動けなかったけど
レジ前のカウンターで伝票を書く莉央に近付く。
後ろからそっと配送先を覗き込むと……
「………実家?」
その住所は間違いなく莉央の実家で、宛名は……
……宛名は……!
「~~~お、お母様!!」
「………」
「お母様にお花を贈るの!!?」
「……でけー声出すなボケ」
私が叫んだと同時に、莉央の冷たい声が返ってくる。
店内にいる数名のお客さんが、クスクスと笑ってこちらを見てるけど
胸が熱くなった私は、もう興奮状態を抑えきれない。
「どうして?
母の日は終わったわよ!?」
「誕生日なんだよ」
「~~~!!
いつ!?今日!?」
「2週間後の土曜、連休初日」
うっひゃぁぁ~~!!
なんだかもう心臓がバクバクして、顔がニヤけちゃってどうしよう……!
「たまたまこのお店が目に入って、お花にしようって決めたの!?」
「面倒だから毎年同じ。花とかグリーンとか…」
「毎年!?」
「誰でも毎年あるだろ」
「毎年お母様の誕生日に、お花をプレゼントしてるのね!?」
「……少し黙ってくれねぇ?」
莉央はうんざりした顔で私を睨む。
「こんな当たり前のことで、いちいち騒ぐんじゃねぇよ」
「~~~~!!!」

