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喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み


「莉央~綺麗だね♪
おばさんきっと喜ぶよ~~♡」

「……会計するから、先に外出てろ」


はいはい、まったく照れちゃって可愛いんだから♡

莉央に言われた通り、ウッドデッキへと足を進める。

こーいうのはね、マザコンとは言わないのよ。
お母様を大事にする、心までイケメンな男なの。

分かってるかな~? 遊歩道を行き交う男性諸君。


「う~ん、気持ちいいなぁ~♡」


空に向かって両手を上げて、大きく伸びをする。

目の前のビーチから吹き抜ける風が、とっても爽やかだ。

……今まで知らなかった莉央を、すぐ傍で感じることができる喜び。

一緒に過ごす日々を重ねる度に、私、莉央のことがもっと好きになる。


“ 俺は、もう沙月だけのものだ。
この先も、ずっと ”


……もう///
腰が砕けて立ち上がれないっつーの……


「沙月」


ふいに後ろから莉央の声。

振り返ったと同時に

私の顔の横で、ふわっと太陽の香りが広がった。


「お前、もうひとつの花言葉知ってる?」

「………っ」


アレンジメントと同じ、初夏の花々とグリーンをまとめた小さなブーケ。


中心でひまわりが咲き誇るその花束を、私に差し出して


莉央は優しく微笑んだ。



「─── “ 俺の目は
あなただけを見つめている ” 」




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