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喘ぐなら、彼の腕の中で
第22章 ★清算済み


─── 心臓、破裂。

─── 涙腺、崩壊。


「……ふっ……うぅっ……」

「・・・お前」


莉央は表情を戻すと、小さなブーケを私の手に握らせて
呆れたように溜息をついて、ポケットからハンカチを出した。


「なんでこんなことで泣くわけ?」
「こっ…こんなってレベルじゃな…」
「お前は “ 心の中で泣く女 ” じゃなかったのかよ」
「莉央のせいでしょ!」
「面倒な女だな」
「~~ぶっ!!」


ハンカチを顔に押し付けられて、視界から莉央が消える。

……私の分まで、お花を買ってくれたことに加えて
極上の笑顔と共に、ひまわりの花言葉を伝えてくれるなんて……

~~泣いちゃうに決まってるでしょーが!!
なんなのよあんたは!
どれだけ胸キュンさせれば気が済むの!?

もう胸キュンどころか、胸ドッカーンって……


「……泣くなよ、沙月」


ハンカチを外すと、莉央はじっと私を見つめた。


「俺、昔から花の中で1番それが好きなんだ。
お前の笑顔に、よく似てるから」

「…………!!」

「お前が受け取ってくれるなら
毎日でも花束にして届けてやるよ」

「………っ」


「……だから、笑って」





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