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喘ぐなら、彼の腕の中で
第23章 ★極上彼氏


─── 私の彼氏は

アホとかさっさと寝ろとか言った直後に

大事な女
ずっと傍にいる

そんな心臓をぶち破る言葉をサラリと言い放つ。


「………っ」


体を倒して横たわると、莉央は私の体にタオルケットをかけて
自分はベッドの中には入らずに、すぐ横の床の上に座った。

そして、右手をきゅっと握ってくれる。


「……莉央……」

「大人しく寝なさい」


柔らかい声でそう言うと
莉央は私を見て、ふっと微笑んだ。


……あ、やっと笑ってくれた。

なんだかそれだけで、嬉しくて泣きたくなってくる。


「……莉央、ごめんね」

「何が」

「私のせいで、明日延期になっちゃって…」

「いや、俺は逆に良かった」

「………?」


もう片方の手で、私の頭を撫でながら
莉央は切なそうな表情になった。


「お前が頑張りすぎる姿、ずっとパーテーション越しに見ていたのに
……何が何でも休ませるべきだった」

「………っ」

「もっと早く気付いてやれなくて
……ごめんな、沙月」




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