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喘ぐなら、彼の腕の中で
第4章 疼く体

* * *
「綾瀬?」
「……!」
隣りのデスクから芹澤さんに呼ばれて、ハッと我に返る。
「どうした? 体調でも悪い?」
「い、いえ…」
「なんか顔が赤いよ。熱でもあるんじゃない?」
芹澤さんが私の顔を覗き込んできて
いつもだったらその瞳をうっとりと見つめ返すけど、今はそれが出来ない。
─── 午後の2時。
莉央と離れてから、もう4時間近く経つのに
体の中心が疼いて、火照りが治まらなくて
パソコンに向かっても、ちっとも集中できなかった。
「………っ」
どうなってるのよ、私……!
あいつ、本当に媚薬でも塗ってたんじゃないの?
自分の体が自分じゃないみたいで、熱くて堪らない。
〜〜何が安全なドラッグよ!
解毒剤とやらの、この疼きを消す方法をさっさと教えて!
そうじゃないと……
「……綾瀬」
隣りから、芹澤さんに再び呼ばれる。
「体調が大丈夫なら、やっぱり今夜 “ ミーティング ” しようか」
「…………!」
「今から外出するから
現場が終わる頃、綾瀬の携帯に電話するよ」

