この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第4章 疼く体

* * *
“ 移動して銀座にいるよ。いつもの店ね ”
芹澤さんに了解って返信して、携帯をバッグの中に入れる。
パソコンの電源を落として、エレベーターに向かった。
─── 夜7時。
帰宅が重なる時間帯で、多くの社員がエントランスから出ていく中
「あ! 沙月~!」
自動ドアを抜けようとした時に、後ろから名前を呼ばれた。
「お疲れ様!」
「……っ」
ふわふわの長い髪を揺らして、亜美が笑顔で近付いてきた。
シフォン素材のワンピースが、とてもよく似合っている。
「沙月も今から帰り?」
「……あ、私は今から打ち合わせなの」
「そうなんだ、忙しくて大変だね」
一緒に並んで歩きながら、会社の外に出た。
………鼓動が一気に早くなる。
芹澤さんとミーティングでそのまま直帰することは
ホワイトボードにも書いてきたから、嘘はついていない。
……もちろん、表面上って意味だけど……

