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喘ぐなら、彼の腕の中で
第2章 私が2番目なの?

* * *
「おい、起きろ」
………ん?
頭の上から降ってきた低い声。
「既に泥酔じゃねぇか。
何が “ 今から一緒に飲もう ” だ。ふざけんな」
セクシーで綺麗な声なのに、それを帳消しにする言葉遣いの悪さ。
……あぁ、意識戻ってきた。
右手にワインのグラスを握ったまま、カウンターに突っ伏していた私は
のっそりと体を起こして、声の主へ視線を向ける。
「……莉央(りお)、機嫌悪そうだねぇ」
「てめぇのせいでな」
私の隣りのイスを引いて、並んで座った莉央は
ネクタイを緩めながら煙草を咥えた。
「この女、これで何杯め?」
「先程、テキーラをショットで3杯。
連続でお召し上がりになりました」
常連客の私の愚痴をいつも聞いてくれるマスターが、ニコリと笑って答えると
莉央は煙と共に、大きな溜息を吐いた。
「お前もう25だろ。
酒の限度くらい、いい加減覚えろよアホ」

