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喘ぐなら、彼の腕の中で
第6章 ベストを尽くせ

「分解してあるとはいえ大きなガラスだし、新幹線に乗せて戻すわけにもいかねーしなぁ」
「納品先も青山店ってなってたんだから、事前の確認も何も打つ手が無かったわよ」
「綾瀬ちゃんのミスじゃないんだから、そんな落ち込まなくて大丈夫だって」
同じチームの仲間が、励ましてくれる。
芹澤さんと電話で話した先輩も、笑いながら自分の席に戻った。
「芹澤も心配してたよ。
綾瀬はきっと落ち込んでるから、みんなで励ましてやってって」
「……!」
「そんなフォローも出来ちゃうなんて、ほんと爽やかなイイ男だよな」
………芹澤さんが、私を心配してくれている。
別れた後も態度が変わらないけど、そうやって私のことを想ってくれてるんだ。
素直に、嬉しい。
だけど
「お前はそれでいいわけ?」
突然、パーテーションの後ろから低い声。
「傷心してる暇があるなら、最後まで足掻いてみろよ」
「……!」
「努力を自ら消そうとするな」

