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喘ぐなら、彼の腕の中で
第6章 ベストを尽くせ

「………!!」
驚いて振り返ると
パーテーションの裏側から、莉央がこちらを見ていた。
営業部の皆と、談笑していた私のチームの仲間が一斉に注目する。
「莉…、み、宮本さん…」
「誤送された名古屋の納品先ってどこですか?」
私の呼び掛けに答えず、莉央は先輩に声を掛ける。
「え、……あ、えっと
中区の栄町にあるブランドショップらしいんだけど…」
「栄なら名古屋の営業所から近いな。
住所教えてください」
話の途中で遮られた先輩は、慌ててパソコンの画面を開く。
私が放心している間に、莉央は携帯を取り出して営業部に体を戻した。
「木村。
お前は名古屋の人間に電話して、誰かすぐそのブランドショップに向かわせろ。
清水。
俺が今から○○運輸に電話するから、青山店の位置を事務所にFAXして。
─── 大至急」

