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喘ぐなら、彼の腕の中で
第6章 ベストを尽くせ


……莉央……!


「宮本!ここだ!
ブランドショップの住所。
店員にも什器が届いていることを確認済み!」


コピー機から戻った先輩が、突進する勢いで印刷した紙を莉央に差し出す。


「あ、その住所僕にください!
名古屋の奴もう車出してて、直接場所を電話します」


営業の木村くんが、莉央の後ろから手を伸ばした。


「○○運輸さんに、青山店の住所をFAXで送りました。
郷田(ごうだ)社長からドライバーの連絡先が来たら、引き取り場所をお伝えしますね」


事務の清水さんが、テキパキとキーボードを打ちこんでいく。


「………っ」


体が震える。
だけど、感激して放心している場合じゃない。


「皆さん!
ありがとうございます……!」


左手でジャケットとバッグ
右手でデスクの上の携帯を掴みとって、フロアの外に向かって私は走り出した。



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