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喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙

「・・・さて」
携帯を取り出して、その登録名を呼び出した。
……無性にドキドキして、指が少し震えちゃってるんですけど。
いや、でもほら。
既に違う誰かが予約済だとしても
今は “ 会社の後輩 ” として、結果報告と感謝はするべきでしょ?
『はい』
「……!」
呼出し音がコールしている間
理由を頭の中で並べる途中で、低い声が耳に届いた。
急激に心拍数が上がる。
「り、莉央…」
『まだ仕事中だろ。” 綾瀬 ” 」
「……!」
〜〜なんで今敢えてイジワル言うかな!?
体がプルプル震えて、言葉が出てこない私に
『はは、冗談だよ』
電話の向こうで莉央が笑った。
『良かったな、沙月』
「……!」
『時間より少し遅れたけど無事届けたって、ゴウさんから連絡あったよ。
お前のチームの席から、さっき歓声が上がったのも聞こえた』
「……っ」
『開店、オメデトウ』

