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喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙


・・・この男。

人が感謝に浸ってるっていうのに、どこまでドSなの。

ていうか。
勘が冴えすぎなんですけど。


「……今夜、まだ受付されているのかしら?」


ぶっきらぼうに聞くと


『お前次第だな』

「……は?」

『俺を喜ばせることができるなら、逢ってやってもいいぜ』


ま、またこいつは……!

結局求めてるのはそれか。
って、その為の関係でしたよね。

はいはい、分かってるわよ。


「いいわよ、お望み通り。
どんなプレイにも付き合ってあげる」


応接室、デスクの上、屋上、給湯室……
これ以上どこでやるっていうのかしら。

毎回刺激的な設定をするのも大変ね。


「会社に戻ればいい?
皆に挨拶だけして、すぐに出れるから…」

『俺に逢いたい?』


花壇から立ち上がったと同時に、莉央が放った言葉。



……え?

なに?



『ヤリたいんじゃなくて、俺に逢いたいんだろ?』

「……!」

『沙月、素直に言えよ』


 
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