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喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙


「社内の皆から電話で聞いたよ。
宮本が色々手配したんだって?」

「……あ、はい。
たまたま社内にいて……」


芹澤さんと莉央は同期だけど、2人が一緒にいる所はほとんど見ない。

これだけ見た目も性格も違うであろう彼らが、仕事以外に関わることは無さそうだけど……


「残念だな。
俺が沙月を助けたかったのに」

「……!」

「沙月の為なら、俺は何でもするから。
遠慮せずに言ってよ」


驚いて芹澤さんを見上げると
彼も私をじっと見つめていた。


………ねぇ
どうして?

どうして今、“ 沙月 ” って呼ぶの……


「……今でも充分フォローしていただいてますよ。
まだまだ私なんて…」

「仕事の話じゃなくて」


視線を逸らした私に、芹澤さんは続ける。


「ここが店の前じゃなくて、誰も見ていない場所だったら
俺はすぐにでも沙月を抱きしめたい」




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