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喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙

ドクドクと心臓が鳴る。
脚が震えて立っているのがやっとだ。
……その言葉を鵜呑みにしてはいけないのに
期待なんてしたらダメなのに
半年間、愛されて幸せだった頃の気持ちが
止めどなく溢れてきてしまう。
「……ズルイですよ、芹澤さん。
そんなこと思ってないくせに…」
「本当だよ。
俺は沙月が好きだって、ずっと言ってるだろ?」
やめて。
これ以上苦しめないで。
あなたを本気で好きな私には、何よりも残酷な言葉だ。
……だけど
もし……本当だったら?
離れていた間に、思い直してくれていたのなら
あなたを信じて、私、我儘を言ってもいいの……?
「……っ それなら」
バッと顔を上げて、芹澤さんを見つめた。
「亜美と……亜美と別れてくれませんか?
私は芹澤さんの彼女になりたいんです」
「……沙月……」
「亜美も芹澤さんの事が好きだから、傷付けたくないけど
私、謝るから…!
許してもらえるまで、私、亜美に頭を下げてお願いしますから……」

