この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙

* * *
……あ、もう終電ない。
BARカウンターに突っ伏していた体をゆっくり起こして、腕時計を見る。
日付が変わって、土曜日の深夜1時半。
そこまで飲んでいないはずなのに、頭が割れるように痛い。
「マスターごめんなさい、私寝ちゃって……」
ぼーっとする頭のまま、目の前に気配を感じる彼に向かって呟くと
「大丈夫ですよ。
さっきcloseの札をかけてきましたから」
マスターが目を細めて、優しく微笑んでくれて
だんだんと視界がはっきりしてくる。
「閉店?
だって金曜だし、いつもはもっと遅くまで……」
「そう、内緒で営業を続けます。
“ お2人 ” の貸し切りだ」
「……貸し切り?」
マスターは頷いて、私の隣りに視線を移した。
カウンター席の、私の横には……
「………!!」

