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喘ぐなら、彼の腕の中で
第7章 涙

「……り、莉央…」
恐る恐る椅子に座り直したけど
莉央は私を見ないまま、ウイスキーを口に含んだ。
「あの、私…」
「寝惚けてブツブツ言ってた意味不明な説明でも、大体分かった」
「………!」
「メールしてきた時点で……
なんとなくそうだろうと思ったけどな」
ドクンと心臓が鳴り響く。
放心したまま莉央を見つめると、莉央も私に目を向けた。
「1人で泣くなって言っただろ」
「………っ」
「お前の努力が結果に繋がった、最高の1日だったんだ。
ゲス男なんかで台無しにしてんじゃねぇよ」
視界がぼやけて、莉央の姿が滲む。
だけどその声だけは、しっかり心まで届いてる。
「お前が泣き虫だってことは、昔から知ってる。
意地張らずに俺を呼べよ」
「……っ」
「……空っぽになるまで、泣かせてやるから」

