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水は低きに流れる
第5章 流れを止めて
「俺の荷物はどこ?」



答えずとも私がクローゼットを見ると立ち上がって扉を開いた。

(普段から片付けておいてよかった)

岩崎さんは手提げを見つけて扉を閉めるとベッドに座った。



「おいで」



顔は笑ってる。

不自然なくらいに・・・


恐々と岩崎さんのそばに近づくと優しく抱きしめられた。

岩崎さんの匂いとぬくもりに心地よさを感じて体に手を回す。



「で?結局、したんだろ?」

「・・・え・・・」

「何された?」


体を離そうとしたら腕に力が入ってて身動きが取れない。



「2人相手なんて、お前はお手のもんだもんな」

「っ!そんな・・・」


そんな言い方ってないって言いたいとこだけど、ミサちゃん達とのことが頭を過ぎってハッキリと違うと言い切れない。




「違う?」



答えずに黙ったままでいる私。

その無言がそうだと言って認めてるようなもんだけど、何を言っていいのかわからない。



「正直に言えよ、怒らないから。お前は酒も飲んでたし薬も盛られてたんだ。不可抗力ってやつだよ」



誘導されているのも分かってるけど・・・


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