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水は低きに流れる
第5章 流れを止めて
「本当に俺のことが好き」

「本当に好きです」



また唇が塞がれてキス。


「んっ・・・」


唇を蹂躙され、捕えられた舌を味わうように舐められて吸われると何も考えられなくなっていく。

巧みなキスに酔っていく。


「・・・ぅん・・・」


やっと唇が離れたとき名残惜しく吐息が出た。

私の顔に岩崎さんの手を添えられて親指で頬をなぞるとぞくぞくとくすぐったいような気持ち良いような感じがして少しだけ身を竦めた。



「俺、浮気とかで別の奴が彼女を抱くとか気持ち悪くて無理。絶対に許せないし抱けないし、キスもしたくない」

「え・・・」




やっぱり岩崎さんに嫌われた・・・?




「でも、不思議とお前にはそういうの感じないんだよね」

「え?」

「お前が誰と何しようとも手放したくない」



私を見つめる目は愛おしそうに見える。

抱きしめる腕も話す間に頬に唇を寄せるのも優しい。




「お前、今どんな顔してるかわかる?」



戸惑っているけど、嫌われたんじゃないかって不安と何を言われるのかっていう脅えが抜けない。



「その泣きそうな顔、いいよな」

「え・・・?」

「もっと泣かせたくなる」



飲みこんだ唾がマンガの効果音のようにゴクンと響く。

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