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水は低きに流れる
第1章 断われなくて
駐車場に着いてしばらくして、見慣れた白い車が隣に停まった。

助手席にミサちゃんが乗ってる。

いつもこのヒデさんの車に私達が乗って4人で遊びに行ってた。

私はバッグを持って自分の車からヒデさんの車に移動した。





「愛美ちゃん」

「ミサちゃん!」




半年ぶりだからそんなに変わるわけないけど、2人に会えるとやっぱり嬉しかった。



「愛美ちゃん、可愛くなったね」

「え?半年しか経ってないよ?髪切ったからかな?」



元夫がロングが好きで切らせてもらえなかったけど、離婚が決まった途端、短くバッサリ切った。

美人なミサちゃんに可愛いなんて言われるとお世辞でもドキってしてしまう。

ヒデさんはルームミラー越しに話しかけてきた。




「なんかふっ切れたんだろ?」

「へへっ」

「あいつさ、俺らもずっと会ってないんだ」

「え?」

「愛美ちゃんと離婚する前に転勤で地方に飛ばされたって聞いた」

「へ、へえ」




出張の度に服についてた香水の匂い。

多分、今は他の女と暮らしてんだろうな。

お互い若かったんだと思う。




「とりあえず、メシでも食いに行くか?」

「うん!」



半年ぶりの景色なのに、なんだか懐かしい気がした。

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