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水は低きに流れる
第3章 流されやすくて
岩崎さんの息が耳にかかって低く呻って中に熱を吐き出す。

びくびくと中が震えているのがわかる。

もう私はぐったりして動くことが出来ない。




手が頭に触れたと思うとアイマスクが外される。

照明の明るさに目が慣れなくてチカチカして何度も瞬きを繰り返すと知らない間に泣いてたみたいで目の周りが涙でぐしゃぐしゃだ。

岩崎さんはテープを手早く外してくれた。

テープの解放感でホッと息を吐く。



「・・・ぅん」

「お前、めちゃくちゃ感じてたな」

「わ、わかんない」



思わずそう言ってしまう。


「わかってるくせに」


もう恥ずかしくてたまらない。

布団を引き寄せて体を隠す。



「これ置いて帰るから、好きに使っていいぞ」

「つ、使いません!」

「そう?」



さっきの振動音は掌に入るくらいの長細いプラスチックの物体。

岩崎さんはそれをウエットティッシュで拭きとるとケースに入れて手提げに入れた。

そんなものを私の部屋に置いておくなんて!



「持って帰ってください!」

「いやだ」


他に出してたものも袋に入れると部屋の隅にポンと放り投げた。

そして私を布団ごと引き寄せて濃厚なキスをしてきた。

唇を離すときには私は名残惜しい吐息をついていた。


「何?お前嫌だった?」


首を横に振る。

クスっと笑うと軽く抱きしめて耳元で囁いた。


「イイコだ」


その言葉に喜びにも似たドキドキするような感じがした。









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