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水は低きに流れる
第4章 流されるまま
佐藤さんの車は少し大きいワンボックスで、2次会に行かない4人が乗せて帰ってもらうことになった。


「遠い人から送っていい?」

「誰からでもいいよ」

「すみません、佐藤さん。僕らまで送ってもらって」

「いいよ、いいよ」



駅前の駐車場から車を出して5分も走らないうちに車が停車した。


「ごめん、ちょっと友達拾っていいかな?」


停まった場所は別の居酒屋で佐藤さんの車を見つけると背の高い人が手を上げた。

後部座席は遮熱フィルムのせいか暗くて分かりにくかったけど、車のライトと街灯の灯りで見えた顔にドキッとした。

途端に鼓動が早くなる。


(似てる・・・)



元夫に似ていた。


「すみません、お邪魔します」


よく見ると別人で声も全然違ってる。



「会社の方を送るのに便乗させてもらって申し訳ないですね」

「いえいえ、いいんですよ」



やっぱり似てる、他人のそら似ってあるんだ。



「こいつ、俺の大学時代の友達で、今日うちに泊まるんです」



佐藤さんの同級生ってことならなおさら歳が違う。

本当に他人だ。

私の座ってる場所からだと斜め後ろ姿しか見えないけど、ドキドキするほど似てる。

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