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水は低きに流れる
第5章 流れを止めて
結局、その後は何もせず、何も食べる気もせず、ぼんやりと座ったり、床でうたた寝を繰り返して1日が終わっていった。


(会社・・・行きたくない・・・)




仮病を使って月曜日は休もう・・・。

そう決めると夕方過ぎに、もう一度シャワーを浴びてベッドで布団をかけて寝る体勢になった。



ピンポーン、ピンポーン


玄関の呼び鈴?

体を起こしてビクビクしながら様子を伺う。

佐藤さんとアキちゃんじゃないよね?

岩崎さん?・・・でも、日曜日は用事があるみたいな言い方してたから違うか。

宅急便?こんな時間に?

だったら居留守使えば不在届置いて帰るかも・・・。



ピンポーン、ピンポーン

コンコン

「おい、俺だ。いるのか?」



その声は岩崎さんだった。

どうしよう、どうしよう・・・

会いたいのに会いたくない人が来てる!


コトッ!

その途端、布団に当たって時計が床に落ちて音が響いた。



「いるのか?開けてくれ」

「・・・・・・。」



お願い!もう帰って・・・!

岩崎さんがあきらめて帰るように息を潜めて様子を伺う。



「管理人さんに頼んで開けてもらうぞ」



げっ!そんな大事(おおごと)じゃないのに!


「あっ、ちょっ!待って!」


慌てて布団から飛び出て玄関に向かった。

ドアロックをしたままで鍵を開ける。


ガッ!ドアが少し開いてロックで止まる。
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