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水は低きに流れる
第5章 流れを止めて

「死んでるかと思った」

「生きてます」



ドアの隙間から見える岩崎さんの姿がひどく懐かしいように感じる。



「入れてくれないのか?」


胸が罪悪感で締め付けられるように痛い。



「・・・あの・・・具合悪くて・・・」

「大丈夫だって分かったら帰るから、少しだけ入れてくれ」

「いえ、大丈夫ですから」


ドアを閉めようとすると力づくで止められる。

足先もドアの間に挟んで閉まらないようにしている。



「何のつもりだよ?」

「でも、本当に大丈夫なんです」

「いいから開けろ!」

「・・・でも」

「開けろって言ってんだ!」



私が溜息をついて諦めた表情になると足を引っ込めた。

渋々、ドアを一端閉めてドアロックを外す。



岩崎さんと目が合わせることが出来ない。



「昨日の夜も帰ってないし、携帯も出ないから心配したんだ」

「具合悪くて寝てたんです」



我ながら苦しい言い訳だけど、岩崎さんの手にスーパーの袋が握られているのに気づく。

中身は果物の缶詰とゼリーとレトルトのおかゆ。



「昨日は帰ってすぐに寝たんです」

「熱は?」



差し出された手を思わず避けて体を竦める。

ふわっと岩崎さんの手がおでこに触れた。

それだけなのにドキドキしてしまう。


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