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私の中のおっさん
第1章 巨人女から 叔父様との関係を強要されて――

「若気の至り……だ。今は、もう誰ともお付き合いしてない」

 広い肩を竦め、嘆息と一緒にそう吐き出した叔父。

「は、はい……」

 叔父は真っ直ぐな人。

 絶対にわたくしに嘘なんか吐かない。

 そう解っていながらも、思わずわたくしは どもってしまっていた。

 正直、叔父がこれまでに沢山の美女を抱いていようと、

 そんなことは、わたくしには関係なかった。
 
 ただ、今現在お付き合いしている女性がいらっしゃるなら、

 この先を強請っては、いけないと思ったのだ。

 ここで終われば、菊はわたくしを傷付け、

 若しくは、見知らぬ男性に売り飛ばすかもしれないが。

 けれどそうなれば、

 叔父は愛する女性を、裏切らずに済む。

「本当だよ。信じて、ねね」

 真っ直ぐにこちらを見つめ、念を押してくる叔父に、

 わたくしは瞳を逸らす事無く、ゆっくりと首肯した。

「……はい。叔父様の仰ること、わたくし、信じます」

 潤んだ瞳で見つめ合い、意思を確認しあう叔父と姪。

 しかし、

「てか、ほんと、長くて太いなあ。あいつの ち○こなんか、もう、極細サラミに見えてきた。ちっ」

 巨人女・菊の愚痴のせいで、雰囲気ぶち壊しだった。

「…………ちょっと、五月蠅いよ」

 ぎろりと遥か上の菊を睨み上げた叔父に、

「あ、悪い悪い~~」

 菊は全く悪びれる様子無く、へへっと笑ったのだった。

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