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私の中のおっさん
第1章 巨人女から 叔父様との関係を強要されて――
「おじさま……、わたくし……、幸せ……です」
だって、一瞬でも わたくしを夢中で求めてくれたんだもの。
「え……?」
「……叔父様、だいすきぃ……」
グレーのジャケットの胸に、すりすりと甘えれば、
「……ねね……。お前――」
わたくしの肩に置かれた叔父の掌に、ぐっと力が籠められ――
「ほら、お茶だよ~っ またペットボトルのキャップしかないけど、許せ!」
何か言いたげな叔父の声は、賑やかな菊の到来で掻き消されていた。
洗面器大のそれから、何とか茶を飲んで、喘ぎ過ぎた咽喉を潤し。
しばしの休憩を許されたわたくしは、叔父に抱っこされたまま、
菊と叔父のやり取りを聞き流していた。
そうしていると、いつの間にかウトウトしていたらしい。
頭を優しく撫でられる感触だけは感じつつ、夢見心地になっていると。
「よしっ 次は 騎乗位だっ 騎乗位~~っ!!」
そんな言葉を喚いた菊によって、わたくしは現実へと引き戻された。
「………………?」
叔父の腕の中で、ぱちぱちと瞬きする わたくし。
というのも、菊が何を要求しているのか、見当もつかなくて。
「いやいや。この子は “今日が初めて” なんだぞ?」
げんなりしている叔父に、
「ねねちゃんが、叔父さんの上で「こんなのムリですぅ~~」って、恥ずかしがってるとこ、見たいんじゃワレ~~っ!!」
当初の “男女の性行為の研究(?)” からは程遠い、意味不明な要求を突き付けてくる菊。
「どうする、ねね?」
腕の中のわたくしを見下ろしてくる叔父に、わたくしは何を返していいのか解らなかった。
ただ、
(も、もうちょっと……叔父様と、繋がってたいな……)
何度もは無理だけれど、もう少しなら叔父を受け止められる気がして。
そして、もう2度と無いであろう叔父との交わりを、
最期の最期、脳裏に焼き付けておきたいというのもあった。