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私の中のおっさん
第1章 巨人女から 叔父様との関係を強要されて――
「ふ~~ん。つまんないのぉ~~。こんなにイケメンの叔父さんに、18歳年下の美少女の姪っ子! せめて妄想して楽しませてよ~~」
菊はそれから、日本酒を ちびりちびりとやりつつ、己の身の上を語り始めた。
三芳 菊、27歳、OL。
つい3時間前まで、結婚を前提とした彼氏がいたが、
菊の親友と思っていた女に寝取られ。
運悪くその浮気現場を目にしてしまった菊は、現在 “絶賛やけ酒中”――らしい。
「それは、心中お察しします……」
いつの間にか、ペットボトルのキャップに なみなみ注がれた日本酒(洗面器 大)を膝の上に抱え、ご相伴に与かっていた叔父は、
ぶっ飛んだ初対面にも関わらず、傷心の菊に労いの言葉を掛けていた。
(そうよね……。叔父様は “誰にでも優しい” んだもの……)
万人に平等に優しく、万人を平等に愛する――まるで神職者の様な叔父。
そして叔父自身、万人に愛されるに相応しい、外見も中身も素晴らしい男性だった。
ただ現在34歳なので「そろそろ身を固めんか」と、親族中にせっつかれてはいるが。
「聞いてよぉ~~っ あの浮気男が言うにはさあ、あたしが不感症なんだって! 「イク」とか言わないし、喘ぎ声ほとんど出さないから、「抱いてて つまんなかった」なんて言うのっ!」
「……ねね、耳を塞いでおきなさい」
まだ16歳の姪に聞かせるには、早いと思ったのか。
叔父の忠告に、わたくしは肩まである黒髪を掻き分け、素直に両手で耳を塞いだが。
それくらいでは、大人2人の会話を遮る事は、到底 出来る筈も無く。
「あいつが下手糞だから、あんまり濡れないし、痛いし、イケないんだっつーのっ!」
「それは、確かに男の方に問題がありそうですね。次はきっと、互いに高め合える男性に、巡り合えますよ」
愚痴満載の菊に、柔らかな声で励ます叔父。