パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 2人の事情

ビデオはどこにでもある事務所のようだ。何故か女子社員一人とおじさんが一人。
おじさんがちらちら女子社員を見ている。ふいに女子社員が立ち上がり・・
「テメエー何見てんだよ！」女子社員がキレ、おじさんの首を掴み椅子から引きずり倒した。おじさんは「すいません。申し訳ございません。」平謝りだ。

そしておじさんは女子社員に土下座させられた。

その時だったビデオに見入っていた私の携帯電話が鳴った。私は驚き、現実に戻され、慌てて電話に出た。「もしもし・・」私は着信通知を見ず電話に出たため相手がわからない。
「もしもし・・山下さん」それはクレアの声だった。

「クレアさんどうかしましたか？」
「山下さんが確認した大阪工事のプレゼン資料ありますよね？あれ数字全部間違ってるんですけど。昼間の打ち合わせで確認しなかったんですか？」
私は慌てた。確認？してない。あの時私はクレアに許し乞う事で精一杯で数字は見てない。
あってるだろうという安易な感じでクレアに資料を返してしまった。
「申し訳ございません…」私が言い終わる前にクレアが口を開いた。
「お前がちゃんと確認しないで渡すから私が怒られたんですけど。」私は「申し訳ございません」しか言えない。「明日夕方17:00に会社に来なさいよね。全部やり直すから！」「ハイわかりました。本当に申し訳ございませんでした。」

その時だった妻が帰ってきた。私は慌ててテレビのスイッチを切る。「ただいま…」妻がリビングに入って来た。慌ててテレビのリモコンを隠す。隠す必死など微塵もない。慌てた私の姿に妻は怪訝そうに冷蔵庫からお茶をコップに注いだ。

「もしもし？もしもし？」「ハイすいません！」
私は今度は慌てて受話器の向こういるクレアに対応した。「明日必ずお伺いします。本当にすいませんでした」
妻は私を見ながらお茶を一気に飲み干しシンクにコップを置いた。
「すいません、すいませんばかりじゃなくちゃんとしろよ！明日必ず来いよ！」ガチャ…
電話は切れた。「わかりました。明日必ず。ハイ、お伺いします」すでに切れた電話に私は答えた。

「先にお風呂入るから…」そう一言言い残し妻は風呂に入った。私はソファにどしっと座り大きなため息をついた。

電話の向こうのクレアはすでに私の知ってるクレアではなく、私はキャラの変わったクレアに戸惑い、しかし魅力も感じていた。