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第6章 共謀

「は、はい…わかりました。」山下は鞄からサイフを出す。

「ちょっと待って！」クレアは叫んだ。あまりに尋常じゃないクレアの声にリサと私は驚いた。

クレアは山下の鞄の横にある紙袋を指差し、
「それ…？」
「あっ？これですか？ここに来る前に会社に寄った時、会社の人にクレアさんに渡すように頼まれてました。
忘れてました。申し訳ありません。」
山下は謝り、クレアに紙袋を渡した。
クレアは中身を確認した。

「会社の誰？」クレアは山下に聞いた。
「いや、知らない女性社員です…」
クレアの様子から山下は何かヤバイものだと悟った。
「それなんなの？」リサがクレアに聞いた。
「……」クレアは何にも答えない。
「ちょっと、クレア？」リサがクレアをのぞきこんだ。
「山下さん。これ渡した人もう一回見ればわかる？」
山下は考えた。
「いや…自信ないです。とっさの事で、すいません」
「そう…」クレアは力なく座った。

山下は飲み物を買って戻ってきた。クレアとリサの前にジュースを置いた。
「どうぞお飲み下さいでしょ！土下座君！」

「どうぞ…お飲み下さい…」
山下は蚊の鳴くような声で言った。

クレアは乗ってこない。
【チッ、つまんねぇ女だな…見込み違いか？】リサはクレアを見た。クレアは下着の件で頭がいっぱいだった。

【誰？女？村田は関係ないの？】

クレア…クレア…
リサはクレアを呼んだ。
「あっ！ごめん！何？」
「私先に帰るね。」
「エッ？まだこれからじゃん！すぐにこれ終わらせるからちょっと待ってよ！」
クレアはリサに言った。

【お前が盛り下げてるのに天然か？】

「わかった。」リサは席に着き仕事が終わるのを待っていた。

「すごい！この企画最高！さすが山下さん。」
クレアは絶賛した。
「ありがとうございます。」
山下はクレアに頭を下げた。
「よかったね！土下座君。褒めてもらって。」
リサは山下に言った。
「ありがとうございます。」
山下はリサにもお礼をして頭を下げた。

「ほんとよくできてる。じゃあこれご褒美ね！」
クレアは山下に紙袋を投げた。
「それ、ご褒美に上げる…」
「結局なんだったのそれ？」
リサが紙袋を開けた。黒いブラジャー、パンティ、ストッキング、ガーター…
「な、何これ？」リサがクレアに尋ねた。
「これ？ご褒美…」クレアは笑みを浮かべ答えた。